4月27日(土)夜のお食事交流会(という名の飲み会)in居酒屋楽園久留米

★参加費¥5,000 ★開催時間19:30~★定員まで残り3名(事前のお申込み必須です)
★会場『居酒屋 楽園 久留米』福岡県久留米市東町33-9 鷲崎ビル1F 西鉄久留米駅より徒歩3分一番街アーケード入り口を左へすぐ

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【第二の人生】69の章:視せられるのに助けられない葛藤

【第二の人生】
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*登場人物*

・萬里→主婦だけどお役目持ってるんで、不思議体験しながら、イライラしながら、葛藤しながら修行中です。

・H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)慣れているからなのか、通常の人間なら取り乱す出来事でもかなり冷静です。

 

 

うそ・・・

そんなんありえん・・・。

 

H氏「私は日常的に

そんな様子を視せられ

その子らの生涯を追っています。」

 

萬里「なんで!

どこかも分からん場所で

助けられもせんのに

そんな残酷な映像

視せられるんですか!?

助けられないなら

意味がないじゃないですか!!!」

 

H氏「それは男の子が

『助けて!僕はここに居るよ!

まだ生きてるよ!』という

シグナルを四方八方に飛ばしているのを

萬里ちゃんがキャッチした

というだけのことなんです。」

 

萬里「あ~!もう!!!

じゃあどげんすればよかとですか?!

助けられんとなら視えんでよか!!!」

 

この日から

視せられる事に対する

理不尽さに怒りが沸き立つ

そして助けられないもどかしさで

イライラする

 

H氏「萬里ちゃん、

私たちはこういう事も

日常茶飯事なんですよ

必ず助けられるとは限らないし

視えた聞こえた感じ取れた中で

自分にできる事を

やるしかないんです。」

 

萬里「意味が分からん!

中途半端やし助けられんなら

こんな能力いりません!」

 

H氏「私もずっと寄り添って

男の子を視てます。

脈と呼吸が聞こえているので

まだ生きてます。

でもあの状況ではそんなに長くは

もたないと思いますが・・・。」

 

萬里「じゃあ、

私たちにできる事って

一体何なんですか?」

 

H氏「あの景色を見て

その場所がどこか見当つけられる

その近辺の私たちのような人達に

念を飛ばし続ける事です

 

それをキャッチした人が

探し助けてくれる事を

祈ることです。」

 

萬里「はぁ。そんなことしか

できないんですか・・・。」

 

H氏「これでも

大事な事なんですよ。

『もしかしたら誰かが

気付いてくれるかもしれない』

そんな想いで男の子も

念を飛ばしているんですから

私たちもそうする以外に

方法は無いんです。」

 

「わかりました。」とは

言ったものの、

何一つ納得できない

 

助ける為に視せられるわけではない

『なんで!?』

そればかり考える

脈や鼓動が消えかけた時には

教えてほしいとH氏に

お願いした

 

H氏「萬里ちゃんも

その時は分かるはずです。」

 

萬里「どうやって?

なんで分かるんですか?

また悲惨な映像を

視なければならないんですか?」

 

H氏「今萬里ちゃんの周りで

漂う下水の臭いは

あの子が感じている臭いです。

生きているから臭いがわかる

息絶えた時にはこの臭いが

なくなるはずです・・・。」

 

萬里は毎日ニュースを隅々まで観た

もしかしたら、

あの子は誰かに

見つけてもらって

助けてもらえるかもしれない

 

毎日チェックした

だけど一向にニュースには

それらしき事件は何も出ない

 

萬里の周辺から臭いが消えた

6日くらい経った頃だった

 

それからしばらく

ニュースのチェックは欠かさなかった

だけど、いつまで経っても

遺体が発見されたとか

それらしきニュースはなかった

 

この件以降

しばらくお布団の中で

映像を視ることはなくなった

 

ちいさんの身体を借りての

供養は続いている

一方的に話しかけてる感じだけど

ちいさんの身体に手を当てると

頭の中に映像が広がるようになった

 

そして少しずつ

視えた映像の違いが

分かるようにもなってきた

 

光が射すときは受け取る側の

萬里が視た映像

 

闇の時は死人が彷徨い

訴えてくるときの送り手側の映像

 

少しなりとも訳が分かってくれば

H氏に聞かずに

自分なりに解釈もできる

 

それが正解かどうかは

分からないんだけど

 

ただ一つ思うのは、

このままだと

H氏に尋ねる回数は減っても、

ちいさんが居なければ

萬里はいつまで経っても

何もできない人間じゃないんか?!

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