〜見えない世界のおはなし(座学)〜

12月6日(日)テーマは
見えない物(者)から身を守る

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【第一の人生】23の章:恐怖の時間だけど絶対に背を向けない

【第一の人生】
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*登場人物*

・アンナ←萬里の源氏名(引退前に事件中)

・ダイ←J.Sと二店舗目のマネージャー(マスターの実弟)りなと仲良しすぎる

・りな←二店舗目のレギュラースタッフ(ダイと確実に付き合っている)

・包丁女←完全に通り魔

・ヤンキー男←どうやら包丁女の彼氏ぽい

 

 

隙を見て、走って逃げることもできた。
だけどそうしてしまえば、
ダイとりなに矛先が向くかもしれない。

二人をそんな目には遭わせられない。

 

それにアンナは、

何事からも逃げるのは好きではない。

逃げ惑い、追われて背中を刺されるくらいなら
真正面から向き合い、

腹から刺される方がマシ!と
ほんの数秒間に肝が据わった。

 

『しかしどこまで後ずさりのまま

歩けばいいのだろう?』

と思った矢先、
近くのお店の出入口を囲う

衝立の角に追い込まれた。

 

私の背には柱と壁で逃げ場はない。

ケーキの箱に突き刺さった包丁を

グッと押された
話しかけることも

目を合わせることも続けたが、
ふとお互いの言葉が途切れ

包丁女の視線が外れた。

 

「よし!今だ!」と
ケーキの箱を勢いよく放り投げた

 

もしかしたら、

投げた勢いで箱に刺さった包丁を

取り落とすかもしれないと踏んだのだ!

 

女の子の手元を見た、
クリームがたっぷり付いた包丁はそのまま
彼女の手元にしっかり持たれている・・・

アンナ大誤算_| ̄|○

 

これでもう、

私の体を庇うものは無くなった・・・

そして、包丁女と再び視線が合う。
目を合わせたまま

アンナはケーキの箱を拾おうと
少しづつ姿勢を下げていった。

 

この行動、

体の高さをずらせば
頭から刺されることはないだろうと

踏んだ。

 

ほんの数秒前に大誤算を

生んだにもかかわらず、

なんの根拠もない自信の下

動いてしまうアンナの習性。

 

徐々にかがみながら

包丁女の様子を改めてよく見た。

 

女は、包丁を持つ右手の

二の腕を左手で押さえていた。
その右腕からは血が流れている。

アンナは毛皮を着ていても寒いと感じるのに
包丁女は裸足で薄っぺらいパジャマ1枚。

 

ケーキの箱を拾い集めながら

身をかがめたまま、包丁女を見上げた。

包丁女は、目が少し悲しそうで、
『この女はもしかしたら何か優しい言葉を
かけて欲しいのではないか!?』と感じた。

 

この状況でなぜそう思ったのかはわからない。

 

アンナ「ねぇ、そんな格好で寒くないと?
足も裸足じゃ怪我するよ、大丈夫?」

 

包丁女は先ほどとはうってかわって、
「うん、うん。」と
急にトーンの高い

女の子らしい声で返事をしだした。

 

アンナ「血が出てるけど

怪我してるんじゃない?大丈夫?」

 

包丁女「あのね、

さっきあの男に殺されそうになったと・・・。」
とシャラシャラジャージの

ヤンキー男の方を指さした。

一瞬その指差す方向を見た、

男はポケットに手を突っ込んだまま

ガニ股で急ぐ素振りもなく

ゆっくりとこっちへ歩いて来てる。

 

その間もとにかく

包丁女に声かけ続ける、
アンナ「怪我してるなら

家に帰って早く手当しないと!
あったまったほうがいいよ風邪ひくよ。」

 

包丁女は「うん、うん。」

とただ可愛く返事する

 

『なんか別人だぞ?!』

 

包丁女にちょっと隙ができた!

 

ところでダイ&りなは

どこ行った!!!?

 

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