*登場人物*
・萬里→主役の主婦です、お役目持ってます。浮遊てこういうこと!?((((;゚Д゚)))))))
・理妃ちゃん→萬里と同じようにお役目持ちだけど、霊に対しての反応とキャッチの仕方が全く違う。娘が2人います。
萬里は悪坊主の術により
開けられた背中の穴を
自らの力で塞ぐことができた
それから、いつの間にか
自分の身体に施された術も
自ら操る事ができるように
なっていた
サクヤさんに
施術してもらっても
その場の効果のみで
終わるし
身体に必要か
そうでないかは
自分の身体が
勝手に判断するみたいで
氣穴に関しては
必要なければ
自然と閉じるみたいだから
特に問題はなかった
H氏は営業職なので
仕事の合間に
サクヤさんの治療院へ来て
短時間の治療を
受けたりもしていた
『百会(頭頂部のツボ)』に
穴を開けてもらうことで
身体の中の不調を
外へ出してもらい調整をする
いつも苦しんでいるのに
それを表に出せない
H氏の身体を
どうにか助けて
あげられないものかと
萬里は思うようになっていた
活源会(氣の勉強会)でも
サクヤさんや
サクヤさんの
同期の先生方に
色々としつこく質問攻め
萬里にも人を
癒す役目があるのなら
できるはず!
でもH氏は
萬里が身体に
触れる事を拒み
それはなぜか?と
問い詰めても
理由はハッキリ言わなかった
萬里の勘繰りでは多分
H氏に触れる事で
H氏の身体の中に
閉じ込めている霊達に
何らかの動きが出るから
本格的な能力のある人に
やってもらうより
治療家としての
能力だけがある人に
やってもらう方が
効果が高いのではないかな
『お願いだから
触れないでください!』
と感じの悪い
セクハラ扱いみたいな
拒み方をする
H氏はサクヤさんに
『氣』を当ててもらい
百会から悪氣を出し始めると
途端に堕ちるらしく
中身が抜け出し
治療中は冬眠状態になる
そして
叩いて起こしてもらうよう
サクヤさんに
お願いしているのだとか
その叩かれる刺激で
中身は瞬時に身体に戻り
肉体と一致するって話だった
サクヤさんの話では
H氏の中身が肉体に
戻ってきた瞬間
身体がズシンッと動くそうだ
それは
見ていてハッキリわかる動きで
ホントにマンガみたいだと
サクヤさんも言っていた
萬里も時々
患者さんが居ない時
同じようにやってもらう事があった
毎日熟睡できてない
寝不足状態とはいえ
サクヤさんが見ている
この状況で人前で
寝るなんてありえないと
自分では思っていた
しかし、
浮遊は自分の考えや
意思とは一致しないものだ
萬里も
いつの間にか堕ちている
ある日の夕方
治療中ふと気が付くと
誰かのお宅のソファに
座っていた
喋り声が聞こえ
そっちを見てみると
ソファの隣に
アメの袋を握りしめた
理妃ちゃんの次女が居た!
次女「ねぇ、開けて!」と
アメの袋を差し出され
袋を開けた後
冗談交じりに
萬里「次女ちゃん!
開けてあげたけん
萬里にもアメちょうだいよ~!」
と言ってみた
次女「ダメッ!!!」
とアメの袋を胸に抱え込んだ
萬里「え~っ!!!」とかなんとか
言ってる間にサクヤさんの声で
目が覚めた
『なんかやけにリアルな
やり取りだったぞ!?』
気になるから
理妃ちゃんに連絡して
その内容を話してみると
理妃ちゃん「それ何時頃?
あ!そういえば
買い物してお迎えから
帰ってバタバタしていた時
次女ソファに座って
誰かと話してた!
どうした?って聞いたら
『さっき萬里ちゃんが来て
アメちょうだいって言ったけど
ダメッ!って言って
あげんかった♪』って・・・。
それ本当やったったい!?」
萬里「すげぇ!
やっぱ次女ちゃんは
ハッキリ視えてるんやね。
しかも躊躇なく会話するとか
凄すぎる!」
理妃ちゃん「今
その話聞いて
ビックリなんやけど・・・。」
萬里「萬里もビックリよ!
萬里確実に浮遊して
人んちの中に勝手に入ったり
しとるんや?!」
H氏が浮遊で我が家に来る事を
不法侵入!って罵ったけど
萬里も同じことしてる・・・
((((;゚Д゚)))))))
浮遊ってこういう事か・・・
(。-_-。)



