*登場人物*
・萬里→祈祷師です、お役目持ってますが主婦もやってます。記憶の振り分けがすごくて悩ましい。
・理妃ちゃん→萬里のお仲間。家庭ありで現実の仕事を隠れ蓑にして、ひっそり活動中。能力は超一流。
・あやぱん→ホンワカ系友人。始まりはサクヤさんの治療院。萬里と同じ歳で、いつもちょうど良い距離感で見守ってくれる協力者。
・カスミさん→治療家で30後半に結婚、妊娠。実家から遠く離れた京都に嫁入り。まったりトゲのない感じの女性。
また久しぶりに4人で集まれる♪
お盆はあの世ラッシュのシーズンでもあり、まともな睡眠とれんし、あちこちお参りに行かなくてはならんので、わりと疲れてるんだけど、こういう集まりに行けるのはお盆休みだからこそ!疲れは忘れる!
そしてSNSで、みんなのページをパトロール。
明日約束の日だしね〜、カスミさん、きっとなんか投稿してるに違いない!
と思ってカスミさんのページを開いたけど、投稿無し。
どころか、カスミさんの気配自体が感じられないっ???
なんだろうか?感か嫌な感じが前より増したというか、動きも気配も一切無い。何も感じ取れない!?
不審に思ったので、すぐにメールをしてみたけど、夜になっても一切返信無し。
SNS上のメッセージも送ってみた、でも返信はない・・・。
理妃ちゃんとあやぱんもそれぞれに連絡入れてみるけど、誰にも返信はなかった。
カスミさんは理由も無しに約束をブッチすることはないはずだから、何かあったんだろうとは思うけど、予定は明日だから3人でどうしようか考えてた。
そんな約束の日前日夜遅くに、カスミさんのメアドから返信が来た!!
でも、文章がとてもよそよそしい?
「突然失礼します。カスミの携帯から連絡させていただいております、カスミの夫です。カスミと会う約束をされていたようなので、取り急ぎお伝えしなければと思いメールさせていただいた次第です。」
え??カスミさんの旦那さん?
もちろん面識はないし、結婚式も披露宴も後からの報告だったし、どんな人なのかも、名前も知らなかった。
「お盆休みに入る前、職場のトイレで倒れているのを発見され、救急車で運ばれましたが、発見が遅かったとのことで、現在脳死と判定され延命治療をすることにしました。」
え?え?
「本人から連絡をすることは、しばらく不可能だと思うので、今後はカスミの携帯を通じて私から連絡させていただくことになりますので、よろしくお願いします。」
もちろん、全く詳細はわからないままでは納得いかない。
萬里「もっと詳しく状況教えてください!赤ちゃんは?!つわりが関係してるんですか??そんなに体調悪かったんですか?倒れる予兆はなかったんですか?目を覚ます可能性は?今カスミさんは、どこにいるんですか?」
矢継ぎ早に質問浴びせました。
カスミ夫「赤ちゃんはお腹の中で生きてるので、延命治療をお願いしました。カスミは、妊娠がわかった時から、てんかんの薬を止めていたようで、つわりでトイレに行った際に、てんかんの発作が出たようだと言われました。
私は、全くそんな予兆も前兆も気付きませんでした。今は、京都の病院に入院させてます。実家のご両親も駆けつけられてるので、しばらくこちらで話し合うことになっております。」
え?カスミさん「てんかん」持ってたの?!
そんな話聞いたこともなかった・・・。というか、萬里はてんかんという言葉は聞いたことあるけど、それがどういうものなのか?その当時よく知りませんでした。
すぐにみんなに連絡入れて、H氏にも何か分かることはないのか?聞いてみようと思った。
理妃ちゃん「そういうことだったんだ・・・。」
萬里「理妃ちゃんもあの時、何か嫌な感じしてたよね?カスミさんが京都に行くの、賛成してた感じじゃなかったよね?」
理妃ちゃん「うん、何かはわからんけど、なんか行って欲しくないというか、嫌な気持ちやった。」
萬里「その嫌な感じって、もしかして無意識にこうなることが分かってたのかな?」
理妃ちゃん「かもしれんね。まだ、感がよく把握できてないもんでね。」
萬里「同じくよ。言い表せないというかなんというか。ただ、何もできないままこの結果は切ないね。」
理妃ちゃん「お腹の赤ちゃんがいつまで育つかやね。」
萬里「赤ちゃんって母体が延命装置でも、肉体が正常なら育つもんなの?」
理妃ちゃん「育たんことはなかろうけど、いつまで持つかどうか・・・。」
こんな状況でカスミさんの夫に毎日状況を聞けるわけもないし、結局もどかしいまま、萬里達は何もしてあげられることはないのよね。
とにかくH氏にも報告!そして能力者だからこそ、できることがあるのではないか?と、そのあたりはH氏が一番適任!
萬里「かくかくしかじか、カスミさんが大変なことになってます!
浮遊とか中身(霊体)で会話できたりしませんか?H氏ならできるでしょ?!」
H氏「てんかん持ってたんですね・・・。それを早く知ってたなら、妊娠することは絶対反対したのに・・・。」
萬里「なんで?」
H氏「妊娠したら、てんかんの発作を抑える薬をやめないといけなくなる、そうなるといつ発作で倒れるかわからない。分かりきったことなので、普通命を優先するなら医者が妊娠すること自体を止めるはずなんですよ。そこは無理するところではなくて、諦めるべきところなんですよ・・・。」
これは男の意見かもな・・・。
萬里「そういうことか・・・。地元では主治医がいたろうけど、結婚で地元離れたから、もしかしたら勝手に薬やめてたかもしれないね。そんな大きなリスクを取ってでも、どうしても母親になりたかったんや・・・。」
もし、だったら、かもしれない・・・。中途半端な能力しか把握できてない頃、そんな後悔を抱えることばっかりだったような気がする。
LINE公式アカウントをぜひ友だち追加してくださいね。↓