玉です(^-^)
昔から、あまり好きではない言葉に、「情けは人の為ならず」というのがあります。
よく誤解される言葉で、「情けをかけるのはその人のためにならないから、甘くするのはよくない」という意味に捉えられがちですが、本当の意味は、「人に情けをかけるということは、その報いは巡り巡って自分を利することになる」という意味です。
だから、「人の為ならず」なのです。
確かに、そのような善因善果は「現象」としてはあることです。
要は、人に何かを与えれば、いつかは自分に返ってくるから、「今は損して、あとから得とれ」と思って与えなさいと言いたいのでしょうが、私は個人的に、その「見返りを求める」精神があまり好きじゃないのです。
与えるなら、自分に返ってくることなどを期待してはいけないし、それは愛ではなくビジネスだと思います。しかも、どちらかと言えばヤクザのビジネス。
もちろん。この言葉が生まれた背景には、「せめてこれぐらいは言わないと、人は自分のことばかり考えて奪うばかり」という現実があったでしょう。
つまり、子供に「ちゃんとお利口さんにしていたら、あとでご褒美をあげるよ」というようなものです。
本当はそうではなく、見返りを求めない情けこそ本当の愛だということは言わずと知れたことですが、それは心の内側のことなので、周りからは見えないから厄介でもあります。
では、逆に、見返りを求める愛とは何か。
子供のためと言いながら、世間体や自己保身のために叱る。
それは愛ではありません。
相手を愛していると言いながら、実は自分の心を埋めるために利用している。
それは愛ではありません。
お客様のためだと言いながら、実は自社だけが儲けることを考えている。
それも愛ならず。
自分も含めて、人間は完璧ではないため、そんな醜い部分を持っています。
しかし、その醜さを許さず、単に「悪」として排除することも、愛ではありません。
情けは人の為にせよ。