*登場人物*
・萬里→主婦でお役目持ち。ワガママな友人霊に呆れる。
・理妃ちゃん→萬里と同類。視えないけど、感じる能力はズバ抜けている。
・アキラくん→死人
修行も兼ねて
理妃ちゃんに事情を話して
一緒に付いてって
もらうことにした
こういう時は
お神酒やお塩は必ず持参する
お塩は持ってるから
行く前にスーパーへ寄って
お神酒を購入することにした
スーパーで買うものは
お神酒と決まって
いるのだけど
萬里は
吸い寄せられるように
おつまみのコーナーへ
理妃「萬里ちゃん!
何買うつもり?」
萬里「えっと、
スルメとか・・・。」
理妃「萬里ちゃん!
それ本当に要るやつ?」
萬里「あ、違う。」
理妃「どうしたと?!」
萬里の頭の中で
アキラくんの声が聞こえる
アキラ『やっぱり
日本酒にはスルメが一番合う
あ、あとそれもいいかな!』
萬里「バカタレがぁ!!
オメェの酒のつまみ
買いに来たんじゃねぇよっ!」
理妃「どうしたと?!」
萬里「アキラくんだった。
お神酒を自分の酒
買ってくれてると
勘違いしてるみたいで
つまみが欲しいとか
言いやがる(; ̄ェ ̄)」
理妃「え( ̄▽ ̄;)」
アキラくんはとにかく
お酒が好きだった
お神酒はその場を清める
ためのものであって
お供えではない
亡くなった人には
常用性のある
アルコールを
供えてはいけない
もちろん
つまみなんか買わん
友達だからって
どんだけ甘えとるんや
o(`ω´ )o
とりあえず出発
途端に車の中に
おばあちゃんのニオイ
が漂い始めた
ん?
と思いつつも
何気ない会話をしながら
目的地に向けて運転する
進むにつれて
なんだか車の中が
ガヤガヤしてきた
おばあちゃんのニオイも
さっきよりさらに濃い
萬里「理妃ちゃん、
なんかおかしいよね?
車ん中。」
理妃「うん( ̄▽ ̄;)」
萬里「アクセルが
すごく重く感じるんだけど。」
理妃「うん、
乗ってる( ̄▽ ̄;)」
萬里「ワイワイ
しゃべってるよね?」
理妃「きよみっつぁん、
きよみっつぁん。って
おばあちゃん達が言ってる。」
萬里「え?
私らの目的地まで
行きたい人達?」
理妃「そうみたい・・・。」
萬里「タクシー扱い?!」
しばらく
集中して聞いてみると
『あたしゃ足が悪かけん
行きとうしても
なかなか行けんとですたい。』
『乗せてってもらわるっと
助かりますね〜。』
『きよみっつぁんにゃ
久しゅう
行っとらんですもんね』
『ありがたいこっです』
(; ̄ェ ̄)
やっぱ、タクシーか・・・
一体
何人乗ってるんだろう?!
肉体はないので定員も
よくわからない
とにかく
バス並みにガヤガヤしてる
しかし足が悪くても
肉体はないのだから
その気になれば
目的地まで
ひとっ飛びのはず
生きてる時の習慣や癖は
なかなか
抜けないものなのです