アヴァローキテーシュヴァラ(観自在菩薩)は、悟りを得る修行の中で、この世の全ての存在には「実体がないこと」を知った。
この発見により、苦しみから解き放たれた。
我が弟子、シャーリプトラよ。よく聞きなさい。
この世の形あるもの全てに、実体というものはない。
実体はないが、全ては、ある「大きな意思」によって“仮”に存在せしめられている。
その奥にあるのは、大いなる目的を持った「愛」である。
シャーリプトラよ。
あらゆる存在に実体はないのだから、全ては…生まれもせず、滅することもなく、汚れることもなく、清らかになることもなく、増えることもなく、減ることもない。
つまり、実体が無い真実の世界においては、全ては存在しない。
真実の世界においては、感じること、思うこと、知ることも無い。
目・耳・鼻・舌・感触・意識もなく、景色・声・匂い・味覚・ぬくもりも、その対象となる相手も、全て存在しない。
目に見えるものと、それによって心のなかで生じたことも、全て存在しない。
無知から生じる悩みもない。
けれども、その悩み自体は尽き果てることが無いかに見える。
この世では、生まれる苦しみ、老いる苦しみ、病になる苦しみ、死ぬ苦しみは、万人が経験するだろう。
しかし、苦しみなど本当は無いのだ。
故に、悟りを得た者は、その「智慧」によって、こだわりを持たず、恐れも抱かず、夢幻も抱かない。
世界を“仮”に作った大いなる「愛」を実感し、静かなる心の世界(涅槃)へと至るであろう。
もちろん、その大いなる「愛」を実感した者は、慈悲の気持ちを以って善を行うだろう。
故に知れ。
この発見のことを表す真言(呪文)は、明らかに、この上もなく、並ぶこともない言葉であると。
全ての苦しみはこれにより解かれ、
そこには真実のみがあり、
偽りはない。
その真言は、
「道を進む者よ。悟りの境地を目指す者よ。悟りの境地を得た者こそが菩提である。道を進む者に幸いあれ。」
これが真実の悟りの教えである。
紀元前480年頃のインドにて
『般若心経』
伝ゴータマシッダールタ(釈迦)
コメント
般若心経RAPもあるよ(笑)
マジですか(笑)
ある意味、お経ってラップです!